「極楽のあまり風 京町家暮らしの四季」
01年 文藝春秋

タイトルの「極楽のあまり風」の意味は、夏の暑い日に、すーっと吹き抜ける涼風のことです。

夏のはじまり、建具替えをし、葦戸に御簾、蚊帳、打ち水、氷柱で、極楽のあまり風を味わう、美しい夏。火鉢にかけた鉄瓶から、湯気が上がる音を聞きながら、雪見障子の向こうに積もる雪を眺める、静かな冬。おいしい山の幸に舌鼓を打ちながら、雅なだけではない、京料理のもうひとつの顔を知っていく秋。桜の淡さ、椿の怖さに、亡くなった人たちとの思い出を重ねていく春。

京都での四季暮らしを、ひとりごとのように綴った、著者お気に入りの一冊。京都シリーズ3作目。


*04年「京都暮らしの四季 極楽のあまり風」に改題、文庫化。(文春文庫)

極楽のあまり風 京町家暮らしの四季/麻生圭子





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